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2022年10月18日 (火)

設備投資額1兆円超 「TSMC(台湾積体電路製造)」が菊陽町(熊本県)に半導体生産の新工場を建設 「JASM」が完成予想図を公表!

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-JASMが完成予想図公表-
 経済産業相は2022年10月16日に、「TSMC(台湾積体電路製造)」の子会社である「JASM」が半導体の新工場を建設している熊本県菊陽町の現地を視察しました。熊本県知事や熊本県内の教育機関とも意見交換し、課題となっている半導体専門人材の育成を支援する考えを示しました。また、「JASM」は新工場の完成予想図を初めて公表しました。

 引用資料 熊本日日新聞(2022/10/16)
 「半導体人材育成を支援」 西村経産相、TSMC新工場建設地(熊本県菊陽町)視察 JASMが完成予想図公表

 「TSMC」の新工場は2022年4月21日に着工、2023年後半の完成を目指しています。「JASM」の堀田祐一社長は完成予想図のパネルなどを使いながら「通常は2、3年かかる工事を1年半で終える計画だが、順調に進んでいる」と説明しました。広報担当者によると、基礎工事を終え構造工事に入った段階ということです。


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TSMCとソニーの半導体合弁事業
 衛星写真は、熊本県菊池郡菊陽町大字原水4000-1にあるソニーグループの半導体事業会社である「ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング」の「熊本テクノロジーセンター」です(Googleマップの衛星写真を引用)。

 「TSMC、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー」は、TSMCの半導体受託製造子会社で、TSMCが株式の過半を所有する「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing」に対して、デンソーが約3.5億米ドルの少数持分出資を行うことを発表しました。この出資により、デンソーはJASMの10%超の株式を取得します。

 ソニーグループ(2022/02/15)
 デンソーによる、JASMへの少数持分出資について

 JASMのファウンドリは、2022年の建設開始を予定しており、2024年末までに生産開始を目指します。また、TSMCは市場ニーズに応えるため、既に公表済みの22/28ナノメートルに加えて、12/16ナノメートル FinFETプロセス技術による製造も担えるようJASMの能力を強化し、月間生産能力を55,000枚(300mmウェーハ)に増強する予定です。

 今回の生産能力増強に伴い、このファウンドリへの設備投資額は、約86億米ドル(約9,800億円/1ドル=114円で計算)となる見込みで、日本政府からの強力な支援を受ける前提で検討しています。このファウンドリでは、約1,700名の先端技術に通じた人材の雇用創出を見込みます。

● 1ドル=149円で計算すると
 このニュースが発表された2022年2月15日の時点では、1米ドル=114円でしたが、その後急速な円安となり、2022年10月18日朝の時点では、1米ドル=149円となっています。1米ドル=149円で計算すると約86億米ドルは、約1兆2800億円になります。


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世界最強の半導体メーカーTSMC

 半導体生産で世界最大手の台湾の「TSMC(台湾積体電路製造:Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.)」は、2022年の設備投資計画を360億米ドル(1$=149円として約5兆3600億円)を想定しており過去最高額になります。

 「TSMC(台湾積体電路製造)」は、1987年にアメリカの「テキサス・インスツルメンツ」の上級副社長だった「モリス・チャン」が台湾で創業しました。半導体製造に特化した「ファウンドリ」で、ファウンドリ市場シェアは世界の半分以上を確保しています。
 
 半導体微細化技術で独走しており、5ナノメートル(nm)プロセスチップの生産を本格化しています。世界最先端の3ナノメートル(nm)プロセスチップの生産も2022年末から開始する予定です。半導体の盟主だった「インテル」は、7nmチップの製造プロセスの開発が大幅に遅延しており、「TSMC」との技術格差は開くばかりです。

 スーパーコンピュータ「富岳」のCPUである富士通の「A64FX」、アップルが自社開発した高性能CPU、世界を席巻している「NVIDIA」のGPUや「AMD」のCPUの製造は、「TSMC」が行っています。今や「TSMC」は世界で最も必要とされている会社と言っても過言ではありません。

● TSMCの2022年12月期の連結決算予想
 2022年12月期連結決算では、売上高 2,277.800百万台湾ドル(前年比43.5%増)、営業利益1,116,000百万台湾ドル(前年比71.7%増)の予想をしています。営業利益率は驚異的な49.0%です。

 2022年10月18日朝時点での為替レートで、1台湾ドル=4.66円で計算すると、売上高約10兆6100億円、営業利益約5兆2000億円となります。日本の企業と比較すると売上高がSONYとほぼ同じで、営業利益がSONYの約5倍です。

TSMCの連結決算(売上高/営業利益)
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2019年12月   1,069,985百万台湾ドル     372,701百万台湾ドル
2020年12月   1,339,255百万台湾ドル     566,784百万台湾ドル
2021年12月   1,587,415百万台湾ドル     649,981百万台湾ドル
2022年12月   2,277.800百万台湾ドル  1,116,000百万台湾ドル

(備考) 単位は台湾ドルです。2022年10月18日朝時点での為替レートで、1台湾ドル=4.66円となっています。



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