半導体生産で世界最大手の「TSMC(台湾積体電路製造)」 第2工場も熊本県・菊陽町付近に 総投資額は1兆円以上の見通し!
-TSMCとソニーの半導体合弁事業-
「TSMC、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー」は、TSMCの半導体受託製造子会社で、TSMCが株式の過半を所有する「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing」に対して、デンソーが約3.5億米ドルの少数持分出資を行うことを発表しました。この出資により、デンソーはJASMの10%超の株式を取得します。
ソニーグループ(2022/02/15)
デンソーによる、JASMへの少数持分出資について
新工場は2022年4月21日に着工、2024年末までに生産開始を目指しています。TSMCは市場ニーズに応えるため、既に公表済みの22/28ナノメートルに加えて、12/16ナノメートル FinFETプロセス技術による製造も担えるようJASMの能力を強化し、月間生産能力を55,000枚(300mmウェーハ)に増強する予定です。
● TSMCの第2工場も熊本県に、総投資額は1兆円以上の見通し!
「TSMC」が日本で検討している2番目の工場を熊本県菊陽町付近に建設する方向で調整に入ったと、2月24日付の「日刊工業新聞」が報じました。総投資額は1兆円以上の見通しだとしています。
ブルームバーグ(2023/02/24)
TSMC第2工場も熊本、総投資額は1兆円以上の見通し-報道
2024年末に稼働する最初の工場と同等規模以上で、5-10ナノメートルの先端プロセスを採用する可能性があると伝えています。稼働開始は2020年代後半になる見込みです。二つの工場で人材や設備を共有できる点を重視しており、2023年内に詳細を決める方針だとしています。
ちなみに総投資額1兆円以上のほとんどは、「半導体製造装置」の導入に費やします。半導体工場の投資が莫大なのは、「半導体製造装置」が非常に高価なためです。オランダ「ASMLホールディング」の最先端の「EUV露光装置」は、1台が240億円以上だと言われています。
熊本県菊池郡菊陽町付近の衛星写真です。周辺には田畑や森林があるので用地取得は問題無いと思います(Googleマップの衛星写真を引用)。
近くには「ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング」の「熊本テクノロジーセンター」があります(写真提供@祥明氏)。
近くには「東京エレクトロン九州 合志事業所」があります。「開発棟」を建設することを発表しています(写真提供@祥明氏)。
世界最強の半導体メーカーTSMC
半導体生産で世界最大手の台湾の「TSMC(台湾積体電路製造:Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.)」は、1987年にアメリカの「テキサス・インスツルメンツ」の上級副社長だった「モリス・チャン」が台湾で創業しました。半導体製造に特化した「ファウンドリ」で、ファウンドリ市場シェアは世界の半分以上を確保しています。
半導体微細化技術で独走しており、5ナノメートル(nm)プロセスチップの生産を本格化しています。世界最先端の3ナノメートル(nm)プロセスチップの生産も2022年末から開始しています。
スーパーコンピュータ「富岳」のCPUである富士通の「A64FX」、アップルが自社開発した高性能CPU、世界を席巻している「NVIDIA」のGPUや「AMD」のCPUの製造は、「TSMC」が行っています。今や「TSMC」は世界で最も必要とされている会社と言っても過言ではありません。
● TSMCの2022年12月期の連結決算
2022年12月期連結決算では、売上高2,263.891百万台湾ドル(前年比42.6%増)、営業利益1,121,279百万台湾ドル(前年比72.5%増)でした。営業利益率は驚異的な49.5%です。
2023年2月25日朝時点での為替レートで、1台湾ドル=4.45円で計算すると、売上高約10兆700億円、営業利益約4兆9000億円となります。日本の企業と比較すると売上高がSONYとほぼ同じで、営業利益がSONYの約5倍です。
TSMCの連結決算(売上高/営業利益)
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2019年12月 1,069,985百万台湾ドル 372,701百万台湾ドル
2020年12月 1,339,255百万台湾ドル 566,784百万台湾ドル
2021年12月 1,587,415百万台湾ドル 649,981百万台湾ドル
2022年12月 2,263.891百万台湾ドル 1,121,279百万台湾ドル
(備考) 単位は台湾ドルです。2023年2月25日朝時点での為替レートで、1台湾ドル=4.45円となっています。
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