シリコンアイランド九州 熊本県菊池市 「三菱電機」が炭化ケイ素(SiC)パワー半導体の生産体制強化に向け新工場棟を建設!
-三菱電機-
九州は、1980年代~1990年代前半頃は、アメリカのシリコンバレーにならって「シリコンアイランド九州」と呼ばれていました。しかし、日本の半導体業界の衰退と共に「シリコンアイランド九州」の名称はほとんど使われなくなりました。しかし、「シリコンアイランド九州」の復活が現実味を帯びてきました。
「三菱電機」は、炭化ケイ素(SiC)パワー半導体の8インチウエハー生産に対応する新工場棟を熊本県菊池市に建設し、2026年4月に稼働します。熊本県合志市のSiC6インチ対応の既存工場も増強します。
SiCのウエハー枚数ベースの生産能力は2026年度に2022年度比約5倍に増やします。2021年~2025年度のパワー半導体の設備投資計画は従来比2倍の約2,600億円に引き上げ、脱炭素社会に向けた省エネルギーや電動車向けのニーズを取り込みます。
引用資料 三菱電機(2023/03/14)
三菱電機 SiCパワー半導体の生産体制強化に向け新工場棟を建設 従来計画から倍増し、2021年度から2025年度でパワーデバイス事業へ2,600億円を投資
新工場棟は液晶モジュールを生産していた拠点の敷地内に建設すします。拠点の既存の2棟も活用します。合志市の6インチ対応の既存工場の能力増強と合わせた投資額は約1,000億円を見込みます。その他に、福岡市西区の拠点は約100億円を投資して後工程の新工場棟を建て、海外も中国安徽省合肥市などの後工程の増強に約200億円を投資します。
熊本県菊池市泗水町住吉1576番地1の「三菱電機株式会社 液晶事業統括部の事業所」付近の衛星写真です(Googleマップの衛星写真を引用)。
TSMCとソニーの半導体合弁事業
「TSMC、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー」は、TSMCの半導体受託製造子会社で、TSMCが株式の過半を所有する「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing」に対して、デンソーが約3.5億米ドルの少数持分出資を行うことを発表しました。この出資により、デンソーはJASMの10%超の株式を取得します。
ソニーグループ(2022/02/15)
デンソーによる、JASMへの少数持分出資について
新工場は2022年4月21日に着工、2024年末までに生産開始を目指しています。TSMCは市場ニーズに応えるため、既に公表済みの22/28ナノメートルに加えて、12/16ナノメートル FinFETプロセス技術による製造も担えるようJASMの能力を強化し、月間生産能力を55,000枚(300mmウェーハ)に増強する予定です。
● TSMCの第2工場も熊本県に、総投資額は1兆円以上の見通し!
「TSMC」が日本で検討している2番目の工場を熊本県菊陽町付近に建設する方向で調整に入ったと、2月24日付の「日刊工業新聞」が報じました。総投資額は1兆円以上の見通しだとしています。
ブルームバーグ(2023/02/24)
TSMC第2工場も熊本、総投資額は1兆円以上の見通し-報道
2024年末に稼働する最初の工場と同等規模以上で、5-10ナノメートルの先端プロセスを採用する可能性があると伝えています。稼働開始は2020年代後半になる見込みです。二つの工場で人材や設備を共有できる点を重視しており、2023年内に詳細を決める方針だとしています。
| 固定リンク
« 福岡市 交通至便の呉服町エリアにハイスペックオフィスビルが誕生 「博多FDビジネスセンター」が竣工! | トップページ | 「福岡市」が「九州大学」と連携して次世代の研究開発拠点の形成 いとLab+(いと・らぼ・ぷらす) 2023年4月8日に開業! »
「82 熊本県」カテゴリの記事
- シリコンアイランド九州 熊本県菊池市 「三菱電機」が炭化ケイ素(SiC)パワー半導体の生産体制強化に向け新工場棟を建設!(2023.03.17)
- 半導体生産で世界最大手の「TSMC(台湾積体電路製造)」 第2工場も熊本県・菊陽町付近に 総投資額は1兆円以上の見通し!(2023.02.25)
- 熊本国際空港 空港アクセス鉄道のルート検討 「TSMC」の進出により状況が一変 「肥後大津ルート」に決定!(2022.12.04)
- 設備投資額1兆円超 「TSMC(台湾積体電路製造)」が菊陽町(熊本県)に半導体生産の新工場を建設 2022年11月下旬の建設状況(2022.11.24)
- 熊本国際空港 空港アクセス鉄道のルート検討 「TSMC」の進出により状況が一変 「肥後大津ルート」が妥当!(2022.11.12)