-ソニーグループの画像センサー用の新工場-
「ソニーグループ」は2023年5月25日に、熊本県合志市で約27万㎡の土地を取得することを正式に明らかにしました。画像センサー用の新工場を建設します。投資金額は未定としていますが、数千億円規模になる可能性があります。中長期での画像センサー需要の拡大を見据え、生産能力を増強して成長につなげます(Googleマップの衛星写真を引用)。
ニュースイッチ(日刊工業新聞社) 2023/05/27
ソニーGが画像センサー新工場、熊本に27万㎡の土地取得へ
立地は、傘下の半導体事業会社である「ソニーセミコンダクタソリューションズ」の熊本県菊陽町にある既存の熊本工場や半導体受託製造大手の「TSMC(台湾積体電路製造)」が建設中の新工場に近いです。
● 土地と地下水が足りない!
「TSMC」が日本で検討している2番目の工場を熊本県菊陽町付近に建設する方向で調整に入ったと報道されています。相次ぐ熊本県進出で、深刻な土地不足で「土地争奪戦」の様相となっています。農地転用と言ってもこのあたりは「優良農地」のため転用が難しいです。他府県から見たらうらやましい悲鳴です。
相次ぐ熊本県進出の理由に「豊富な地下水」があります。半導体の生産に大量の地下水を使います。「TSMC」の新工場の1日に採取する地下水の量は約1万2千立方メートルと言われています。相次ぐ半導体工場の進出により、「地下水」の確保も今後はネックになると思います。
2023年3月期の連結業績
「ソニーグループ」は、2023年4月28日に「2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)」の連結決算を発表しました。売上高11,539,837百万円(前期比16.3%増)、営業利益1,208,206百万円(前期比0.5%増)といずれも過去最高を記録しました。
ソニーグループ(PDF:2023/04/28)
2023年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
● 2024年3月期の連結業績予想
2024年3月期の連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)は、売上高11,500,000百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益1,170,000百万円(前年同期比3.2%減)の業績予想をしています。
ソニーグループの連結決算(売上高/営業利益)
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1998年3月 6,755,490百万円 520,210百万円
1999年3月 6,794,619百万円 338,649百万円
2000年3月 6,686,661百万円 223,204百万円
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2001年3月 7,314,824百万円 225,346百万円
2002年3月 7,578,300百万円 134,600百万円
2003年3月 7,473,600百万円 185,400百万円
2004年3月 7,496,400百万円 89,900百万円
2005年3月 7,159,600百万円 113,900百万円
2006年3月 7,510,600百万円 226,400百万円
2007年3月 8,295,700百万円 71,800百万円
2008年3月 8,871,400百万円 457,300百万円
2009年3月 7,730,000百万円 △227,800百万円
2010年3月 7,213,998百万円 31,772百万円
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2011年3月 7,181,273百万円 199,821百万円
2012年3月 6,492,312百万円 △67,275百万円
2013年3月 6,800,851百万円 230,100百万円
2014年3月 7,767,266百万円 26,495百万円
2015年3月 8,215,800百万円 68,548百万円
2016年3月 8,105,712百万円 294,197百万円
2017年3月 7,603,250百万円 288,702百万円
2018年3月 8,543,982百万円 734,860百万円
2019年3月 8,665,687百万円 894,235百万円
2020年3月 8,259,885百万円 845,459百万円
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2021年3月 8,999,360百万円 971,865百万円
2022年3月 9,921,513百万円 1,202,339百万円
2023年3月 11,539,837百万円 1,208,206百万円
2024年3月期予想
2024年3月 11,500,000百万円 1,170,000百万円(会)
2024年3月 11,931,560百万円 1,261,517百万円(コ)
(備考) (会)は会社予想、(コ)はアナリスト予想(コンセンサス)です。コンセンサスは頻繁に変更されます。上記のコンセンサスは2023年5月29日時点の数値です。
イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)
「ソニーグループ」は、6分野(ゲーム、音楽、映画、エレクトロニクス、半導体、金融)に分かれています。その中で半導体分野は「イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)」となります。
● 2022年度のイメージセンサーの市場シェアは51%!
「ソニーグループ」と「サムスン電子」は、イメージセンサーの市場で激しいシェア争いを繰り広げています。2021年度における市場シェアは、金額ベースでソニーグループが45%、サムスン電子が26%でした。
2022年度のソニーグループの市場シェアは51%に達しています。ソニーグループは、モバイルセンサーの大判化や高画質、高性能のトレンドを牽引しています。スマホ需要減で逆風下のイメージセンサー市場ですが、大判化でソニーグループが独り勝ち状態となりました。更に、2025年度には市場シェア60%まで拡大する計画を掲げています。
2024年3月期の連結決算では、「イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)」の売上高1,600,000百万円、営業利益200,000百万円を計画しています。計画通りの売上高1兆6000億円を達成すると日本一の半導体メーカーとなります(ルネサスエレクトロニクスは、2023年12月期の売上高1兆5000億円弱を計画)。
ルネサスエレクトロニクスの連結決算(売上高/営業利益)
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2021年12月 994,418百万円 183,601百万円
2022年12月 1,500,853百万円 424,170百万円
ソニー(I&SS)の連結決算(売上高/営業利益)
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2022年03月 1,076,400百万円 155,600百万円
2023年03月 1,402,200百万円 212,200百万円
キオクシアホールディングスの連結決算(売上高/営業利益)
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2022年03月 1,526,500百万円 216,200百万円
2023年03月 1,282,100百万円 △99,000百万円