スズキ 2024年3月期連結決算で売上高5兆円を予想! 巨大市場インドで大きく成長が予想される「マルチ・スズキ・インディア」
-スズキ-
「スズキ」の本社は、静岡県浜松市南区高塚町300に本社を置く自動車メーカーです。1909年10月に「鈴木式織機製作所」として創業しました。軽自動車国内2強、インドで4輪シェア約4割です(Googleマップの衛星写真を引用)。
「スズキ」は、2023年8月4日に「2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表しました。2023年4月~6月までの連結決算で、売上高1,208,896百万円(前年同期比13.7%増)、営業利益99,802百万円(前年同期比33.9%増)でした。
2024年3月期の業績予想を上方修正しました。前回公表値の売上高は4兆9000億円から1,000億円増の5兆円と初の5兆円台を見込みます。営業利益は300億円増の3,600億円を見込みます。世界販売台数は東南アジアなどの市場状況などを踏まえ、前回公表値から5,000台少ない318万1000台に引き下げました。
マルチ・スズキ・インディア
「マルチ・スズキ・インディア(Maruti Suzuki India Limited、)」は、スズキのインドにおける乗用車生産販売子会社です。インド政府との合弁会社「マルチ・ウドヨグ」として1981年2月に設立、2002年5月に出資比率を引き上げたスズキが子会社化、2007年7月に社名を「マルチ・スズキ」に変更しました。スズキの出資比率は56.21%です。
インドは今や日本を抜いて、中国、アメリカに次ぐ世界第3位の自動車消費国です。人口でも2023年中に中国を抜いて、世界1位になることが確実視されています。これから大きく成長するインド市場が、今後のスズキの世界事業を大きく後押しすることは間違い無いです。
インドメーカー別乗用車国内販売台数(2022年4月~2023年3月)
(1) マルチ・スズキ 1,606,870台(市場シェア41.3%)
(2) 現代自動車 567,546台(市場シェア14.6%)
(3) タタ・モーターズ 544,391台(市場シェア14.0%)
(4) マヒンドラ&マヒンドラ 359,253台(市場シェア9.2%)
(5) 起亜自動車 269,229台(市場シェア6.9%)
(6) トヨタ・キルロスカ 173,245台(市場シェア4.5%)
(7) ホンダ 91,418台(市場シェア2.4%)
(8) ルノー 78,926台(市場シェア2.0%)
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累計 3,890,114台(乗用車国内販売台数)
● スズキがインドで2030年度に400万台体制へ!
「スズキ」は2023年6月23日の株主総会で、急成長する主力インド市場に合わせて、2030年度に向け年間生産能力を5カ所目の新工場建設を含めて400万台を超える態勢へ増強し、乗用車シェア50%台の回復を目指す方針を明らかにしています。
400万台以上の生産能力態勢は、2022年度の倍増の規模です。2030年度に向けては、既存の3工場(現在計225万台)に加え、2025年に稼働するカルコダ工場(ハリヤナ州)と別に建設予定の新工場がそれぞれ100万台規模となる見込みです。
2024年3月期第1四半期決算短信
「スズキ」は、2023年8月4日に「2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表しました。2023年4月~6月までの連結決算で、売上高1,208,896百万円(前年同期比13.7%増)、営業利益99,802百万円(前年同期比33.9%増)でした。
スズキ(PDF:2023/08/04)
2024年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
スズキの連結決算(売上高/営業利益)
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1998年3月 1,488,785百万円 49,667百万円
1999年3月 1,455,832百万円 47,261百万円
2000年3月 1,521,192百万円 42,599百万円
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2001年3月 1,600,253百万円 50,727百万円
2002年3月 1,668,251百万円 58,460百万円
2003年3月 2,015,309百万円 74,204百万円
2004年3月 2,198,986百万円 95,140百万円
2005年3月 2,365,571百万円 107,542百万円
2006年3月 2,746,453百万円 113,865百万円
2007年3月 3,163,669百万円 132,900百万円
2008年3月 3,502,419百万円 149,405百万円
2009年3月 3,004,888百万円 76,926百万円
2010年3月 2,469,063百万円 79,368百万円
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2011年3月 2,608,217百万円 106,934百万円
2012年3月 2,512,186百万円 119,304百万円
2013年3月 2,578,317百万円 144,564百万円
2014年3月 2,938,314百万円 187,747百万円
2015年3月 3,015,461百万円 179,424百万円
2016年3月 3,180,659百万円 195,308百万円
2017年3月 3,169,542百万円 266,685百万円
2018年3月 3,757,219百万円 374,182百万円
2019年3月 3,871,496百万円 324,365百万円
2020年3月 3,488,433百万円 215,069百万円
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2021年3月 3,178,209百万円 194,432百万円
2022年3月 3,568,380百万円 191,460百万円
2023年3月 4,641,644百万円 350,551百万円
2024年3月期予想
2024年3月 5,000,000百万円 360,000百万円(会)
2024年3月 5,060,207百万円 389,973百万円(コ)
(備考) (会)は会社予想、(コ)はアナリスト予想(コンセンサス)です。
● フォルクスワーゲン傘下への危機
「スズキ」は、2009年12月に「フォルクスワーゲン(VW)」との包括的業務資本提携を発表しました。「スズキ」は「GM」に代わる緩い業務資本提携のつもりでしたが、フォルクスワーゲンはしたたかで、経営への介入を強めてきました。危機感を感じたスズキは、2011年9月に 取締役会において、フォルクスワーゲンとの提携解消を決定しました。
経営への介入を強めたいフォルクスワーゲンと離脱したいスズキの攻防が続きました。フォルクスワーゲンは敵対的買収も辞さない構えでしたが、2015年8月に「国際仲裁裁判所」が、フォルクスワーゲンがスズキ株を売却すべきだという判決を示し、フォルクスワーゲンが保有するスズキの全株式(19.9%)を手放すことになり、提携解消しました。
「スズキ」が「フォルクスワーゲン」の傘下になってしまう危機でしたが、あの時に「スズキ」が「フォルクスワーゲン」の傘下になっていたら「トヨタ VS フォルクスワーゲン」の世界一の座の争いもフォルクスワーゲンが圧倒的に有利になっていたと思います。日本にとって本当に良かったと思います。スズキにとっては自ら危機を呼び込んだ「痛恨の経営判断ミス」でした。
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