シリコンアイランド九州 「TSMC(台湾積体電路製造)」の第2工場は5ナノ世代?、第3工場は3ナノ世代?、第4工場は熊本県外?
-TSMC-
熊本県菊陽町の「TSMC」の新工場は2022年4月21日に着工、2024年末までに生産開始を目指しています。TSMCは市場ニーズに応えるため、既に公表済みの22/28ナノメートルに加えて、12/16ナノメートル FinFETプロセス技術による製造も担えるようJASMの能力を強化し、月間生産能力を55,000枚(300mmウェーハ)に増強する予定です(写真提供@祥明氏)。
「TSMC」が日本で検討している2番目の工場を熊本県菊陽町付近に建設する方向で調整に入ったと、2023年2月24日付の「日刊工業新聞」が報じました。
2023年9月7日の「ニュースイッチ」を引用すると ”23年7月、台湾積体電路製造(TSMC)の経営幹部がひそかに来日し、経済産業省幹部らと会談した。主な目的は新工場への補助金の“確約”を得るためだが、対象の新工場は24年春にも着工予定の第2工場ではないという。「第3工場までの補助金確約はすでに得られているので、今回の来日は第4工場に関する交渉だったようだ」(事情通)。水面下の話し合いは想定以上の速さで進んでいる。” という内容です。
引用資料 ニュースイッチ(2023/09/07)
TSMCは早くも第4工場…「半導体狂想曲」に期待と不安、熱狂の陰で、奥が忍び寄る課題
要約すると、「第2工場・第3工場」は、「第1工場」の隣接地もしくは近隣、「第4工場」は別の場所という事です。熊本県内か熊本県外かは不明です。いずれにしても「第4工場」は、凄まじい誘致合戦になりそうです。
● ブルームバーグから新たな情報
「ブルームバーグ」から2023年11月21日に新たな情報がありました。半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県内に3つ目の工場を設け、最先端半導体の製造を検討していることが分かりました。
Bloomberg(2023/11/21)
TSMCが熊本県に3つ目の半導体工場、3ナノ品生産も検討-関係者
”日本企業が長年積み上げてきた半導体製造装置や部材・原料分野での重要な役割が、TSMCなどの半導体製造大手にとって「代えがたい魅力」になっているという。”とのことです。
● 第2工場は5ナノ世代の可能性も?
”TSMCは既に熊本県菊陽町に、主に12ナノ半導体などを製造する第1工場を建設中。第2工場を建設し5ナノ世代を製造する計画もある。”とあります。第2工場は5ナノ世代の可能性もあるようです。
● 第3工場は3ナノ世代の可能性も?
”検討中の第3工場では、量産段階として最先端の回路線幅が3ナノメートル(ナノは10億分の1)半導体の製造も視野に入っているという。”とあります。第3工場は3ナノ世代の可能性もあるようです。
現在の最先端である3ナノメートルですが、第3工場が稼働する頃には、3ナノの技術は1~2世代遅れている可能性は高いものの、様々な世代の半導体がそろう事になります。
● 第4工場は熊本県外になる可能性も?
”第4工場の可能性も模索されているが、土地などの不足により北九州市など熊本県外になる可能性もあるとした。”とあります。Googleマップの衛星写真を見ても近隣に「第4工場」を建設するのは難しそうです。
半導体製造の前工程では、「超純水」により各工程で頻繁に洗浄します。超純水とは、河川水や工業用水などの水から限りなく不純物を取り除いてH2Oに限りなく近づけた超高純度な水のことです。
熊本では、多くの場合「地下水」から「超純水」を製造します。半導体工場では大量の「超純水」を使用するので、大量の「地下水」の確保が必要です。「河川水」などの新たな方法で水を確保しないとこれ以上の半導体工場の建設は難しいと思います。
TSMC(台湾積体電路製造)
「第1工場」が建設中ですが、多くの情報を見ると「第2工場」は「第1工場」の東側の隣接地に建設するようです。何の根拠もありませんが、私は「第3工場」は「第1工場」の西側の隣接地だと妄想しています。近くには「SONY」も半導体の新工場を建設する予定なので、土地の確保よりも、最大のネックとなるのは工業用水となる「水」の確保です(Googleマップの衛星写真を引用)。
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