大阪IRがやっとここまで来た! 大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業 環境アセスメントの手続きを完了 2024年度夏頃準備工事に着手!
-大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業-
大阪府と大阪市は2021年9月28日に、大阪市湾岸部の人工島「夢洲(ゆめしま)」に誘致を目指す「カジノを含む統合型リゾート(IR)」について、アメリカのMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの連合体を正式に事業者に選んだと発表しました。
大阪府と大阪市は2021年12月21日に「第5回 副首都推進本部(大阪府市)会議」を開き、「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画(案)骨子等について」を提示しました。2020年代後半としていた開業時期を2029年頃と定め、IR建設時の近畿圏での経済波及効果が約1兆5800億円に上ると試算しました。
「大阪府」と「大阪市」は、大阪でのカジノを含む統合型リゾートの開業に必要な取り決めをまとめた実施協定案を公表し、開業時期について、当初予定していた「2029年秋~冬頃」から「2030年秋頃」に延期するとしました。
● 環境アセスメントの手続きを完了!
「MGMリゾーツ」と「オリックス」が中核株主を務める大阪IRは、「大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業」の環境影響評価書と事後調査計画書を大阪市に提出し、環境アセスメントの手続きを完了しました。2024年6月14日から縦覧が始まっており、大阪市への届け出を経て近く着工する見込です。
引用資料 大阪市・公式HP(2024/06/10)
大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業 環境影響評価書
工期は7年を見込みです。1年目から3年目は準備工事、1年目の終盤から7年目の序盤まで建設工事、3年目から4年目にかけて太陽光発電施設工事を予定しています。2030年夏頃の全体工事完了を想定しています。
残る心配は、2026年9月末までは違約金なしで撤退できる「解除権」が盛り込まれている事です。「MGMリゾーツ・インターナショナル」は撤退する気は無いと信じたいです。
大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業の概要
◆ 所在地-大阪府大阪市此花区夢洲中一丁目の一部ほか
◆ 交通-Osaka Metro中央線「夢洲」駅(2025年01月末開業予定)
◆ 高さ-最高部約130m
◆ 計画地面積-約642.000㎡(太陽光発電事業計画候補地を含む)
◆ 延床面積-約848,000㎡
◆ 用途-会議施設、展示等施設、劇場、ミュージアム、飲食施設、バスターミナル、フェリーターミナル、係留施設、宿泊施設、カジノ、駐車場、太陽光発電設備
◆ 来場想定者数-(年間)来場者数約1,987万人、(日)最大来場者数約10万人
◆ 駐車台数-約3,200台
◆ 着工-2024年度夏頃予定(準備工事)
◆ 竣工-2030年度夏頃予定
◆ 供用開始-2030年度秋頃予定
◆ 初期投資額-約1兆2,700億円
「事業計画地内の施設配置図」です。
「駐車場の位置・台数等」です。敷地にはかなり余裕があります。「大阪IR」が順調に進むと将来的には、南西側の約1,450台の「駐車場」の部分も開発されると思われます。
「施設配置イメージ図」です。
「本事業の対象範囲」です。計画地面積約642.000㎡と当初計画より広くなっているのは、「太陽光発電事業計画候補地」を含むためです。
「工事工程(想定)」です。
● 大阪のIRがやっとここまで来た!
まだまだ先だと思っていた大阪のIRですが、 数々の困難や関門を乗り越えてやっとここまで来ました。このような具体的なスケジュールを見ると感慨無量です。
オリックス
「オリックス」は、1964年4月に「オリエント・リース」として設立されました。リース事業からスタートして隣接分野に進出し、新たな専門性を獲得することにより事業を進化させてきました。
その結果、現在は法人金融、産業/ICT機器、環境エネルギー、自動車関連、不動産関連、事業投資・コンセッション、銀行、生命保険など多角的に事業を展開しています。
オリックスには「東京本社」と「大阪本社」があります。「東京本社」は、東京都港区浜松町二丁目4番1号の「世界貿易センタービル南館(2021年5月6日より)、「大阪本社」は、大阪府大阪市西区西本町一丁目4番1号の「オリックス本町ビル」にあります。
● 2026年9月末までは違約金なしで撤退できる「解除権」
大阪IRは、「大阪IR株式会社(中核株主として合同会社日本MGMリゾーツ40%、オリックス40%、少数株主として関西地元企業を中心とする22社が20%)」が夢洲に設置し、運営します。
2026年9月末までは違約金なしで撤退できる「解除権」が盛り込まれています。余程の事が無い限り撤退する事は無いとは思いますが、日本側を仕切る「オリックス」の経営が安定している事が大阪のIRを推進する上で非常に重要です。
オリックスの連結決算(営業収益/営業利益)
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1997年3月 347,784百万円 36,889百万円
1998年3月 380,510百万円 38,412百万円
1999年3月 593,941百万円 31,042百万円
2000年3月 616,513百万円 52,886百万円
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2001年3月 586,149百万円 57,148百万円
2002年3月 658,462百万円 75,369百万円
2003年3月 683,645百万円 38,083百万円
2004年3月 720,773百万円 84,775百万円
2005年3月 928,730百万円 131,713百万円
2006年3月 947,824百万円 217,338百万円
2007年3月 1,142,500百万円 282,166百万円
2008年3月 1,151,500百万円 187,990百万円
2009年3月 1,075,800百万円 54,739百万円
2010年3月 912,294百万円 28,710百万円
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2011年3月 946,878百万円 75,296百万円
2012年3月 970,821百万円 124,467百万円
2013年3月 1,065,638百万円 150,598百万円
2014年3月 1,375,292百万円 203,048百万円
2015年3月 2,174,283百万円 256,829百万円
2016年3月 2,369,202百万円 287,741百万円
2017年3月 2,678,659百万円 329,224百万円
2018年3月 2,862,771百万円 336,195百万円
2019年3月 2,434,864百万円 329,438百万円
2020年3月 2,280,329百万円 269,681百万円
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2021年3月 2,292,708百万円 258,814百万円
2022年3月 2,520,365百万円 302,083百万円
2023年3月 2,666,373百万円 313,988百万円
2024年3月 2,814,361百万円 360,713百万円
2025年3月期予想
2025年3月 2,972,508百万円 431,400百万円(コ)
(備考)2025年3月期予想は、オリックスが未発表のためコンセンサス(アナリスト予想)のみになります。コンセンサスは頻繁に変更されます。上記のコンセンサスは2024年6月22日時点の数値です。
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