大阪ガスの新本社ビル 地上33階、高さ約150mの「大阪ガスビルディング(ガスビル西館)」 建設資材価格の高騰を受け着工を延期!
-大阪ガスが新本社ビルを建設-
2022年4月26日に「大阪ガス」は、「大阪ガス都市開発」が所有する大阪ガスビルディングの西側の大阪ガスグループ社有地での複合ビル開発と、ガスビルのリノベーションについて検討を開始すると発表しました。
西用地は、現在は駐車場等として利用していますが、保有資産の価値向上を目的に、外部テナントへの賃貸によりオフィスと商業用途に使用する複合ビルの建設を検討します。Daigasグループ本社機能の西新ビルへの移転・集約についても、あわせて検討します。
「ガスビル(南館:1933年竣工、北館:1966年竣工)」は、歴史的建築物として保存し、御堂筋のさらなるにぎわい創出に寄与するよう、用途拡大等に向けたリノベーションを検討します。なお、ガスビルの保存方法については、保存検討委員会を設け、学識経験者の意見を受けながら、検討を進めます。
大阪市は、2023年2月3日に「令和4年度第3回大阪市都市計画審議会」を開催しました。容積率の最高限度は1,200%に引き上げられ、建築物の高さの最高限度が150mとなりました。
2023年2月7日に都市計画案が、大阪府の都市計画審議会において、都市再生特別措置法に定める都市再生特別地区として審議・可決され、都市計画決定される見込みとなりました。
引用資料 報道発表資料(2023/02/07)
ガスビル西側での複合ビル開発とガスビルのリノベーションについて(「平野町四丁目地区」計画案の概要お知らせ)
「ガスビル西館」は2024年に着工し、2027年の完成を目指します。竣工後に大阪ガスの本社機能を移転します。「ガスビル」の改修工事は、2028年に着工し、2031年の完成を予定しています。改修後も外観と床面積の85%を保存する計画です。
● 建設資材価格の高騰を受け着工を延期!
「大阪ガス」は2025年3月6日に、「ガスビル」として知られる本社ビルの西側で開発を計画している高層複合ビルについて、2024年ごろとしていた着工を延期すると発表しました。建設資材価格の高騰を受け、一部の仕様や総事業費などを再検討します。新たな着工時期などについては決まり次第公表する予定です。
大阪ガス(2025/03/06)
ガスビル西側での複合ビル開発とガスビルのリノベーションについて(着工延期のお知らせ)
首都圏では建設資材価格の高騰により、中野区の地上61階、高さ約262mの「NAKANOサンプラザシティ(仮称)」が総事業費3,500億円超となり施行認可申請の取り下げ、さいたま市の「順天堂大学医学部附属埼玉国際先進医療センター(仮称)」の総事業費が当初の約2.6倍にあたる2,186億円に高騰したため、病院整備計画が中止となり大きなニュースとなりました。
この波が関西にも波及してきました。このようなブログを運営していると建設資材価格の高騰によりここ最近は、全国的に新規プロジェクトのニュースが大幅に減っている事を実感します。
<着工延期前の概要>
大阪ガスビルディングの概要「ガスビル西館(新築) ガスビル(改修)」
◆ 所在地-大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号
◆ 交通-Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋」駅から徒歩約5分、京阪本線「淀屋橋」駅から徒歩約10分
◆ 階数-(ガスビル西館)地上33階、地下階あり、(ガスビル)地上8階、塔屋あり、地下2階
◆ 高さ-(ガスビル西館)約150m、(ガスビル)約45m
◆ 敷地面積-約10,370㎡(施設全体)
◆ 延床面積-約136,000㎡(施設全体)
◆ 容積率-約1,200%
◆ 構造-(ガスビル西館)鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造、(ガスビル)鉄骨鉄筋コンクリート造
◆ 用途-(ガスビル西館)オフィス、商業施設、(ガスビル)オフィス、商業施設
◆ 建築主-大阪ガス、大阪ガス都市開発
◆ 着工-(ガスビル西館)2024年予定、(ガスビル)2028年予定
◆ 竣工-(ガスビル西館)2027年予定、(ガスビル)2031年予定
◆ 総事業費-500億円以上
「北東より」です。
「道路上空利用部分のイメージ(南より)」です。
「ガスビル西館のデザインコンセプト(パースは南より)」です。2棟のビルは接続されます。2棟のビルは、階高が全く違うので接続が難しそうです。
「ガスビルのアトリウムイメージ」です。
「ガスビル・ガスビル西館の用途構成」です。規制緩和で道路上空の利用が一般的になってきました。2棟のビルは接続されますが、階高が全く違います。2棟の階高の違いを吹き抜けで調整するようです。
「計画図」です。
高層部の高さの最高限度が150mとなります。
NAKANOサンプラザシティ(仮称)
「中野区」で2023年に閉館した複合施設「中野サンプラザ」跡地の再開発について、中野区は2024年10月11日に、「野村不動産」など事業者側から施行認可申請の取り下げがあったと明らかにました。建設費の高騰が理由です。総事業費は2,639億円と見込んでいましたが、更に900億円超の増額となる見通しとなっていました。
「中野区」は事業者から新たな計画を求めていますが、2029年度中に予定していた完成は遅れることになります。「中野区」は区議会に対して計画を白紙撤回するわけではないと説明したうえで、今後、事業者と協議した上で、計画の内容を再検討していきたいとしています。
● 施行認可申請の取り下げ!
中野区は、「中野サンプラザ」と「中野区役所」を中心とする再開発を巡り2025年3月11日に、「野村不動産」など事業者側から施行認可申請の取り下げがあったことを明らかにしました。建設費の高騰が理由で、申請後の取り下げは異例です。
<施行認可申請の取り下げ>
NAKANOサンプラザシティ(仮称)の概要
◆ 計画名-(仮称)中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業
◆ 所在地-東京都中野区中野四丁目1番、8番
◆ 交通-JR中央線・総武線・東京メトロ東西線「中野」駅から徒歩1分
◆ 階数-地上61階、塔屋2階、地下3階
◆ 高さ-最高部約262m、建築基準法の高さ約250m
◆ 敷地面積-約23,460㎡
◆ 建築面積-約18,800㎡
◆ 延床面積-約298,000㎡
◆ 容積対象面積-容積率約1,000%
◆ 地震対策-中間層免震構造(2層の免震層)
◆ 用途-オフィス、共同住宅、店舗、ホテル、ホール、駐車場など
◆ 総戸数-約1,100戸
◆ 施行予定者-(代表事業者)野村不動産、(共同事業者)東急不動産、住友商事、ヒューリック、JR東日本、(構成事業者・協力事業者)清水建設、日本郵政不動産、日本設計、電通、ジェイアール東日本ビルディング、野村不動産ホテルズ、野村不動産パートナーズ、東急コミュニティー、リージョンワークス合同会社
◆ 特定業務代行者-清水建設
◆ 解体-2024年度予定(当初計画)
◆ 着工-2025年度予定(当初計画)
◆ 竣工-2028年度予定(当初計画)
◆ 供用開始-2029年度予定(当初計画)
◆ 総事業費-2,639億円(更に900億円以上増加する見込み)
順天堂大学医学部附属埼玉国際先進医療センター(仮称)
「埼玉県」や「さいたま市」などがさいたま市美園地区に「順天堂大学医学部附属埼玉国際先進医療センター(仮称)」を誘致を進めています。埼玉県内の慢性的な医療人材不足を解消し、埼玉県北部などの医師が足りない地域を手当てする狙いがありました。
新病院の建設予定地は、「埼玉スタジアム2002」の近くで、埼玉高速鉄道「浦和美園駅」から北へ約0.5km離れた場所で、さいたま市緑区と岩槻区にまたがる約7.3haです。
● 総事業費の高騰により病院整備計画中止!
「学校法人順天堂」は、「埼玉県」と共に浦和美園地区に開設を検討していた800床の大病院「(仮称)国際先進医療センター」の病院建設計画を断念し、2024年11月29日付で埼玉県に病院整備計画中止届を提出しました。
引用資料 学校法人順天堂(2024/11/29)
埼玉県浦和美園地区病院の整備計画中止について
「学校法人順天堂」は、病院整備計画に関し、2025年4月の着工、2027年11月の開院を目指して全力で取り組んでいましたが、2024年7月に施工会社による設計の結果、建築業界の急激な需要増や資材の高騰に加え、深刻な人手不足などの要因も重なり建築費が大幅に高騰し、さらにその他の費用も上昇した結果、総事業費が2015年に予想した当初の834億円の2.6倍にあたる2,186億円に達することが明らかになりました。
<病院整備計画中止届を提出>
順天堂大学医学部附属埼玉国際先進医療センター(仮称)の概要
◆ 計画名-順天堂浦和美園キャンパス(仮称)等整備事業
◆ 所在地-埼玉県さいたま市緑区美園三丁目、岩槻区美園東二丁目
◆ 交通-埼玉高速鉄道「浦和美園」駅
◆ 階数-地上10階、地下0階
◆ 高さ-約59m
◆ 敷地面積-約73,000㎡
◆ 延床面積-(病院棟)約90,000㎡、(大学・大学院棟)約26,000㎡、(陽子線治療施設)約5,000㎡、(立体駐車場)約15,600㎡
◆ 地震対策-免震構造(病院本館)
◆ 用途-病院、大学・大学院、陽子線治療施設、駐車場 等
◆ 病床-800床
◆ 駐車場台数-約1,000台(外来用含む)
◆ 建築主-学校法人順天堂
◆ 着工-2025年04月予定
◆ 竣工-2027年05月予定
◆ 開院-2027年11月予定
◆ 総事業費-2,186億円
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