カジノを含む統合型リゾート(IR) 大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業 液状化対策は「セメント系固化工法」、対策費用は255億円!
-大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業-
大阪府と大阪市は2021年9月28日に、大阪市湾岸部の人工島「夢洲(ゆめしま)」に誘致を目指す「カジノを含む統合型リゾート(IR)」について、アメリカのMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの連合体を正式に事業者に選んだと発表しました。
大阪府と大阪市は2021年12月21日に「第5回 副首都推進本部(大阪府市)会議」を開き、「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画(案)骨子等について」を提示しました。2020年代後半としていた開業時期を2029年頃と定め、IR建設時の近畿圏での経済波及効果が約1兆5800億円に上ると試算しました。
引用資料 大阪市・公式HP(2021/12/21)
第5回 副首都推進本部(大阪府市)会議について
「カジノを含む統合型リゾート(IR)」の開設に向け、大阪府・大阪市が提出した整備計画について政府が2023年4月14日に認定しました。IR計画の認定は国内初です。
「大阪府」と「大阪市」は、大阪でのカジノを含む統合型リゾートの開業に必要な取り決めをまとめた実施協定案を公表し、開業時期について、当初予定していた「2029年秋~冬頃」から「2030年秋頃」に延期するとしました。
大阪府・大阪市 IR推進局(PDF:2023/09/05)
大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備 関連協定(案)等について
大阪府と市の会議で公表された実施協定の案では、開業までの工程を当初から、約1年程度見直し、2025年春頃に建設工事などを着工、2030年夏頃に建設工事を完了させ、2030年秋頃に開業予定としました。事業者の初期投資額について、建設資材価格等の高騰の影響により、当初の約1兆800億円から1兆2700億円に増額となりました。
● 液状化対策はセメント系固化工法!
「大阪府」と「大阪市」は2023年9月19日に、SPC(特定目的会社)の大阪IRがカジノを含む統合型リゾート(IR)施設を整備する事業エリアの液状化対策を発表しました。
引用資料 大阪府・公式HP(2023/09/19)
IR予定区域等における液状化対策に関する専門家会議
建物を建てる場所約21haで「セメント系固化工法」を使用します。建物直下の深さ約3m~5mを改良します。その外側の区域は、液状化被害が局所的で小規模とみられることから復旧対応が可能としました。工事はIR事業者が行います。2023年秋頃の着工を目指します。
検討結果に基づく液状化対策費用は255億円と見込まれ、大阪市の土地課題対策にかかる債務負担行為限度額788億円のうち、液状化対策の費用410億円の範囲内となりました。
当初、採用を想定していた「締め固め砂杭工法(サンドコンパクションパイル工法)」の効果が十分期待できない可能性があると分析し、より確実な効果が見込める「セメント系固化工法」の採用を決めました。
見直し後(2023年9月)
◆ 2023年秋頃-液状化対策工事の着手
◆ 2024年夏頃-IR準備工事の発注及び着手
◆ 2025年春頃-IR建設工事の発注及び着手
◆ 2030年夏頃-工事の完了
◆ 2030年秋頃-IR施設の開業(約1年程度延期)
◆ 初期投資額-約1兆2,700億円(約1兆800億円から増額)
「イメージパース:全景」です。
「IR区域の全体配置(イメージ)」です。
「液状化対策の対策範囲」です。検討結果に基づく液状化対策費用は255億円と見込まれ、大阪市の土地課題対策にかかる債務負担行為限度額788億円のうち、液状化対策の費用410億円の範囲内となりました。
「改良形式による余改良の考え方」です。
「改良形式・施工方法の検討フロー」です。
「格子状改良の検討フロー」です。
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