82 熊本県

2023年11月25日 (土)

シリコンアイランド九州 「TSMC(台湾積体電路製造)」の第2工場は5ナノ世代?、第3工場は3ナノ世代?、第4工場は熊本県外?

Kumamototsmc230912
-TSMC-
 熊本県菊陽町の「TSMC」の新工場は2022年4月21日に着工、2024年末までに生産開始を目指しています。TSMCは市場ニーズに応えるため、既に公表済みの22/28ナノメートルに加えて、12/16ナノメートル FinFETプロセス技術による製造も担えるようJASMの能力を強化し、月間生産能力を55,000枚(300mmウェーハ)に増強する予定です(写真提供@祥明氏)。

 「TSMC」が日本で検討している2番目の工場を熊本県菊陽町付近に建設する方向で調整に入ったと、2023年2月24日付の「日刊工業新聞」が報じました。

 2023年9月7日の「ニュースイッチ」を引用すると ”23年7月、台湾積体電路製造(TSMC)の経営幹部がひそかに来日し、経済産業省幹部らと会談した。主な目的は新工場への補助金の“確約”を得るためだが、対象の新工場は24年春にも着工予定の第2工場ではないという。「第3工場までの補助金確約はすでに得られているので、今回の来日は第4工場に関する交渉だったようだ」(事情通)。水面下の話し合いは想定以上の速さで進んでいる。” という内容です。

 引用資料 ニュースイッチ(2023/09/07)
 TSMCは早くも第4工場…「半導体狂想曲」に期待と不安、熱狂の陰で、奥が忍び寄る課題

 要約すると、「第2工場・第3工場」は、「第1工場」の隣接地もしくは近隣、「第4工場」は別の場所という事です。熊本県内か熊本県外かは不明です。いずれにしても「第4工場」は、凄まじい誘致合戦になりそうです。

● ブルームバーグから新たな情報
 「ブルームバーグ」から2023年11月21日に新たな情報がありました。半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県内に3つ目の工場を設け、最先端半導体の製造を検討していることが分かりました。

 Bloomberg(2023/11/21)
 TSMCが熊本県に3つ目の半導体工場、3ナノ品生産も検討-関係者

 ”日本企業が長年積み上げてきた半導体製造装置や部材・原料分野での重要な役割が、TSMCなどの半導体製造大手にとって「代えがたい魅力」になっているという。”とのことです。

● 第2工場は5ナノ世代の可能性も?
 ”TSMCは既に熊本県菊陽町に、主に12ナノ半導体などを製造する第1工場を建設中。第2工場を建設し5ナノ世代を製造する計画もある。”とあります。第2工場は5ナノ世代の可能性もあるようです。

● 第3工場は3ナノ世代の可能性も?
 ”検討中の第3工場では、量産段階として最先端の回路線幅が3ナノメートル(ナノは10億分の1)半導体の製造も視野に入っているという。”とあります。第3工場は3ナノ世代の可能性もあるようです。

 現在の最先端である3ナノメートルですが、第3工場が稼働する頃には、3ナノの技術は1~2世代遅れている可能性は高いものの、様々な世代の半導体がそろう事になります。

● 第4工場は熊本県外になる可能性も?
 ”第4工場の可能性も模索されているが、土地などの不足により北九州市など熊本県外になる可能性もあるとした。”とあります。Googleマップの衛星写真を見ても近隣に「第4工場」を建設するのは難しそうです。

 半導体製造の前工程では、「超純水」により各工程で頻繁に洗浄します。超純水とは、河川水や工業用水などの水から限りなく不純物を取り除いてH2Oに限りなく近づけた超高純度な水のことです。

 熊本では、多くの場合「地下水」から「超純水」を製造します。半導体工場では大量の「超純水」を使用するので、大量の「地下水」の確保が必要です。「河川水」などの新たな方法で水を確保しないとこれ以上の半導体工場の建設は難しいと思います。


Kumamototsmc231111
TSMC(台湾積体電路製造)
 「第1工場」が建設中ですが、多くの情報を見ると「第2工場」は「第1工場」の東側の隣接地に建設するようです。何の根拠もありませんが、私は「第3工場」は「第1工場」の西側の隣接地だと妄想しています。近くには「SONY」も半導体の新工場を建設する予定なので、土地の確保よりも、最大のネックとなるのは工業用水となる「水」の確保です(Googleマップの衛星写真を引用)。



|

2023年10月26日 (木)

シリコンアイランド九州 熊本県が「新大空港構想」を策定! 「TSMC(台湾積体電路製造)」の進出により熊本県が激変

Kumamotoairport231011
-TSMC-
 熊本県菊陽町の「TSMC」の新工場は2022年4月21日に着工、2024年末までに生産開始を目指しています。TSMCは市場ニーズに応えるため、既に公表済みの22/28ナノメートルに加えて、12/16ナノメートル FinFETプロセス技術による製造も担えるようJASMの能力を強化し、月間生産能力を55,000枚(300mmウェーハ)に増強する予定です。

 「TSMC」が日本で検討している2番目の工場を熊本県菊陽町付近に建設する方向で調整に入ったと、2023年2月24日付の「日刊工業新聞」が報じました。

 2023年9月7日の「ニュースイッチ」を引用すると ”23年7月、台湾積体電路製造(TSMC)の経営幹部がひそかに来日し、経済産業省幹部らと会談した。主な目的は新工場への補助金の“確約”を得るためだが、対象の新工場は24年春にも着工予定の第2工場ではないという。「第3工場までの補助金確約はすでに得られているので、今回の来日は第4工場に関する交渉だったようだ」(事情通)。水面下の話し合いは想定以上の速さで進んでいる。” という内容です。

 引用資料 ニュースイッチ(2023/09/07)
 TSMCは早くも第4工場…「半導体狂想曲」に期待と不安、熱狂の陰で、奥が忍び寄る課題

 要約すると、「第2工場・第3工場」は、「第1工場」の隣接地もしくは近隣、「第4工場」は別の場所という事です。熊本県内か熊本県外かは不明です。いずれにしても「第4工場」は、凄まじい誘致合戦になりそうです。

● 新大空港構想
 1企業の進出でここまで変わるとは驚きです。「熊本県」は、巨大な金鉱を掘り当てた感じです。「熊本県」は、熊本空港周辺を核とした地域活性化策をまとめた「新大空港構想」を策定しました。構想では、台湾の「TSMC」進出を踏まえ「シリコンアイランド九州」の実現や空港アクセス鉄道の整備などを推進するとしています。

 引用資料 熊本県・公式HP(2023/10/24)
 新大空港構想を策定しました

 「新大空港構想」では、「地方創生の先進地域」の実現に向けて、「空港機能の強化」、「産業集積・産業力強化」、「交通ネットワークの構築」、「快適な生活ができる街づくり」の4つの柱で取り組みを推進し、空港周辺地域の活性化を、県全体、ひいては、九州全体の発展につなげていきます。


Kumamotoairport231012
「新大空港構想が目指す将来像のイメージ」です。


Kumamotoairport231013
「新大空港構想が目指す将来像のイメージ」です。「空港アクセス鉄道」のイメージだと思われます。

● 肥後大津ルート
 当初は「三里木ルート」で計画されていましたが、台湾の世界最大手半導体企業「TSMC」が、菊陽町(セミコンテクノパーク隣接)に進出することが決定したことにより状況が一変しました。「原水ルート」と「肥後大津ルート」についても調査を実施し、より効率的で効果の高いルートについて、比較検討を実施する事になりました。


Kumamotoairport231014
「新大空港構想が目指す将来像のイメージ」です。


Kumamototsmc230912
TSMC(台湾積体電路製造)
 TSMC(台湾積体電路製造)」の「第1工場」の建設現場です。「TSMC」の進出により、「熊本県」を取り巻く環境が激変しました。他の府県がうらやむ好循環を迎えています(写真提供@祥明氏)。



|

2023年9月11日 (月)

半導体生産で世界最大手の「TSMC(台湾積体電路製造)」 熊本県の第1工場 2023年9月10日の建設状況 日本国内に第3工場・第4工場も建設か?

Kumamototsmc230911
-TSMCとソニーの半導体合弁事業-
 「TSMC、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー」は、TSMCの半導体受託製造子会社で、TSMCが株式の過半を所有する「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing」に対して、デンソーが約3.5億米ドルの少数持分出資を行うことを発表しました。この出資により、デンソーはJASMの10%超の株式を取得します。

 新工場は2022年4月21日に着工、2024年末までに生産開始を目指しています。TSMCは市場ニーズに応えるため、既に公表済みの22/28ナノメートルに加えて、12/16ナノメートル FinFETプロセス技術による製造も担えるようJASMの能力を強化し、月間生産能力を55,000枚(300mmウェーハ)に増強する予定です。

 「TSMC」が日本で検討している2番目の工場を熊本県菊陽町付近に建設する方向で調整に入ったと、2023年2月24日付の「日刊工業新聞」が報じました。総投資額は1兆円以上の見通しだとしています。

● TSMCが日本国内に第3工場・第4工場も建設か?
 「日刊工業新聞」の「ニュースイッチ」は、「TSMC」関連のニュースに関しては、速報性で独走しており、多くの場合は数か月後に事実として正式にリリースがあります。

 2023年9月7日に「ニュースイッチ」から驚くべきニュースがありました。引用すると ”23年7月、台湾積体電路製造(TSMC)の経営幹部がひそかに来日し、経済産業省幹部らと会談した。主な目的は新工場への補助金の“確約”を得るためだが、対象の新工場は24年春にも着工予定の第2工場ではないという。「第3工場までの補助金確約はすでに得られているので、今回の来日は第4工場に関する交渉だったようだ」(事情通)。水面下の話し合いは想定以上の速さで進んでいる。” という内容です。

 引用資料 ニュースイッチ(2023/09/07)
 TSMCは早くも第4工場…「半導体狂想曲」に期待と不安、熱狂の陰で、奥が忍び寄る課題

 ”熊本県内でも立地に関するうわさが飛び交う。ある地元関係者は「現在菊陽町に建設中の第1工場の隣接地はもはや余裕がなく、第4工場からは別の土地を探さなければならなくなるだろう」と語り、皆が地図を広げて思いめぐらす日々だ。” ということです。

 要約すると、「第2工場・第3工場」は、「第1工場」の隣接地もしくは近隣、「第4工場」は別の場所という事です。熊本県内か熊本県外かは不明です。いずれにしても「第4工場」は、凄まじい誘致合戦になりそうです。


Kumamototsmc230912
「第1工場」の2023年9月10日の建設状況です。手前が「CUP棟(半導体製造において生命線となる電力・水などを制御・管理する施設)」、奥が「FAB棟(半導体製造工場)」です(写真提供@祥明氏)。


Kumamototsmc230913
東端に配置されている「オフィス棟」を南東側から見た様子です(写真提供@祥明氏)。


Kumamototsmc230914
「オフィス棟」を北東側から見た様子です。オフィス棟の北側は「駐車場」になります(写真提供@祥明氏)。


Kumamototsmc230915
「オフィス棟」の北側から西側を見た様子です。奥に見えるのは「FAB棟」です(写真提供@祥明氏)。


Kumamototsmc230916
日本エア・リキード(
熊本ガスセンター)
 フランスに本社を置く産業ガスの大手メーカー「エア・リキード」の100%子会社である「日本エア・リキード」は、「セミコンテクノパーク」内に「熊本ガスセンター」を設けています。エア・リキードは、半導体メーカーの製造プロセスを長期にわたり、クリーンで安定した状態に保つために必要な超高純度キャリアガスを提供しています(写真提供@祥明氏)。

 半導体の製造プロセスでは、各工程において多品種の超高純度ガスを使用します。 「TSMC」の「第1工場」の敷地内にも「ガスヤード」や「BSGS棟(Bulk Special Gas System)」が設けられます。「BSGS棟」は、半導体工場では様々な特殊なガスを多く使用しますが、これらを生産現場である「FAB棟」に供給する施設です。水面下では多くのガスメーカーが売り込み合戦を行っていると思われます。



|

2023年7月27日 (木)

JR熊本駅前 (仮称)西区春日三丁目プロジェクト 地上30階、高さ約110mの「MJR熊本ゲートタワー」

Kumamotomjr230711
-MJR熊本ゲートタワー-

 シリコンアイランド九州の熊本県では、「TSMC(台湾積体電路製造)」の進出で活気づいています。熊本駅周辺でも開発が活気づいています。熊本県は千載一遇のチャンスを迎えています。

 「JR九州」は、「京阪不動産」と共に、JR熊本駅前に新たに超高層タワーマンション「(仮称)西区春日三丁目プロジェクト」を建設しています。正式名称は「MJR熊本ゲートタワー」です。

 引用資料 公式ホームページ
 MJR熊本ゲートタワー

MJR熊本ゲートタワーの概要
◆ 計画名-(仮称)西区春日三丁目プロジェクト
◆ 所在地-熊本県熊本市西区春日三丁目2191-2(地番)
◆ 交通-JR「熊本」駅徒歩4分
◆ 階数-地上30階、塔屋2階、地下0階
◆ 高さ-約110m
◆ 敷地面積-4,285.41㎡
◆ 建築面積-約1,600㎡
◆ 延床面積-約27,000㎡
◆ 構造-鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
◆ 地震対策-免震構造
◆ 用途-共同住宅
◆ 総戸数-236戸
◆ 建築主-JR九州、京阪電鉄不動産
◆ 設計者・監理者-INA新建築研究所
◆ 施工者-MJR熊本ゲートタワー新築工事特定建設工事共同企業体(大林組、九鉄工業)
◆ 着工-2023年06月
◆ 竣工-2026年02月予定
◆ 入居開始-2026年03月予定


Kumamotomjr230712
「MJR熊本ゲートタワー」の完成予想図です。


Kumamotomjr230713
「MJR熊本ゲートタワー」のスカイラウンジ完成予想図です。


Kumamotomjr230714
「位置図」です。



|

2023年6月28日 (水)

シリコンアイランド九州 ソニーグループ 熊本県合志市に約27万㎡の土地を取得 画像センサーの新工場を建設することを正式に表明! 

Kumamotosony230511
-ソニーグループの画像センサー用の新工場-
 「ソニーグループ」は2023年5月25日に、熊本県合志市で約27万㎡の土地を取得することを正式に明らかにしました。画像センサー用の新工場を建設します。投資金額は未定としていますが、数千億円規模になる可能性があります。中長期での画像センサー需要の拡大を見据え、生産能力を増強して成長につなげます(Googleマップの衛星写真を引用)。

 ニュースイッチ(日刊工業新聞社) 2023/05/27
 ソニーGが画像センサー新工場、熊本に27万㎡の土地取得へ

 立地は、傘下の半導体事業会社である「ソニーセミコンダクタソリューションズ」の熊本県菊陽町にある既存の熊本工場や半導体受託製造大手の「TSMC(台湾積体電路製造)」が建設中の新工場に近いです。

● 画像センサーの新工場を建設することを正式に表明!
 ソニーグループが熊本県合志市に取得する約27万㎡の土地に画像センサーの新工場を建設することを正式に表明しました。取得は2023年内に完了します。上位機種のスマートフォン用の画像センサー需要は堅調に伸びると予想され、2024年~2026年度の画像センサー向け設備投資額は約9000億円規模を見込みます。現在、世界首位の画像センサー事業を強化し、盤石なものにします。

 ニュースイッチ(日刊工業新聞社) 2023/06/27
 ソニーグループが世界首位「画像センサー」盤石に、2024-26年度も9000億円投資


Kumamototsmc221112
すぐ近くに「ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング」の「熊本テクノロジーセンター」があります(写真提供@祥明氏)。


Tokyosony210214
2023年3月期の連結業績
 「ソニーグループ」は、2023年4月28日に「2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)」の連結決算を発表しました。売上高11,539,837百万円(前期比16.3%増)、営業利益1,208,206百万円(前期比0.5%増)といずれも過去最高を記録しました。

 ソニーグループ(PDF:2023/04/28)
 2023年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期の連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)は、売上高11,500,000百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益1,170,000百万円(前年同期比3.2%減)の業績予想をしています。

ソニーグループの連結決算(売上高/営業利益)
-----------------------------------------
1998年3月     6,755,490百万円    520,210百万円
1999年3月     6,794,619百万円    338,649百万円
2000年3月     6,686,661百万円    223,204百万円
-----------------------------------------
2001年3月     7,314,824百万円    225,346百万円
2002年3月     7,578,300百万円    134,600百万円
2003年3月     7,473,600百万円    185,400百万円
2004年3月     7,496,400百万円      89,900百万円
2005年3月     7,159,600百万円     113,900百万円
2006年3月     7,510,600百万円     226,400百万円
2007年3月     8,295,700百万円      71,800百万円
2008年3月     8,871,400百万円     457,300百万円
2009年3月     7,730,000百万円  △227,800百万円
2010年3月     7,213,998百万円      31,772百万円
-----------------------------------------
2011年3月     7,181,273百万円     199,821百万円
2012年3月     6,492,312百万円    △67,275百万円
2013年3月     6,800,851百万円     230,100百万円
2014年3月     7,767,266百万円       26,495百万円
2015年3月     8,215,800百万円       68,548百万円
2016年3月     8,105,712百万円     294,197百万円
2017年3月     7,603,250百万円     288,702百万円
2018年3月     8,543,982百万円     734,860百万円
2019年3月     8,665,687百万円     894,235百万円
2020年3月     8,259,885百万円     845,459百万円
-----------------------------------------
2021年3月     8,999,360百万円     971,865百万円
2022年3月     9,921,513百万円   1,202,339百万円
2023年3月   11,539,837百万円   1,208,206百万円

2024年3月期予想
2024年3月   11,500,000百万円   1,170,000百万円(会)
2024年3月   11,772,242百万円   1,256,271百万円(コ)

(備考) (会)は会社予想、(コ)はアナリスト予想(コンセンサス)です。コンセンサスは頻繁に変更されます。上記のコンセンサスは2023年6月28日時点の数値です。


Tokyosony230411
イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)
 「ソニーグループ」は、6分野(ゲーム、音楽、映画、エレクトロニクス、半導体、金融)に分かれています。その中で半導体分野は「イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)」となります。

● 2022年度のイメージセンサーの市場シェアは51%!
 「ソニーグループ」と「サムスン電子」は、イメージセンサーの市場で激しいシェア争いを繰り広げています。2021年度における市場シェアは、金額ベースでソニーグループが45%、サムスン電子が26%でした。

 2022年度のソニーグループの市場シェアは51%に達しています。ソニーグループは、モバイルセンサーの大判化や高画質、高性能のトレンドを牽引しています。スマホ需要減で逆風下のイメージセンサー市場ですが、大判化でソニーグループが独り勝ち状態となりました。更に、2025年度には市場シェア60%まで拡大する計画を掲げています。



|

2023年6月27日 (火)

シリコンアイランド九州 TSMCの熊本進出で周辺が激変 「中九州横断道路」の整備加速、新インターチェンジの設置検討へ!

Kumamototsmc230611
-中九州横断道路-
 「中九州横断道路(なかきゅうしゅうおうだんどうろ)」は、大分市と熊本市を結ぶ延長約120kmの地域高規格道路として、1994年12月に計画路線に指定された道路です。

 「中九州横断道路」が整備されると、大分市、熊本市を中心としたそれぞれの都市圏を相互に連絡し、両県の交流を促進するとともに、沿道地域の産業発展、地域活性化が期待されます。

 また、九州縦貫自動車道及び東九州自動車道と連絡されることにより循環型ネットワークが形成され、地域間の交流が活性化されるとともに、災害時においても信頼性のある道路として地域の安全・安心に大きく貢献します。

● TSMCの熊本進出など受け政府が整備加速!
 半導体受託製造世界最大手の「TSMC(台湾積体電路製造)」など半導体関連企業が熊本県菊陽町一帯に進出することを受け、日本政府は熊本市北部と大分市を結ぶ「中九州横断道路」の整備を加速させています。

 政府は半導体事業を経済安全保障の観点から重視しており、早期に中九州道を九州自動車道と接続させることなどで、物流効率化や深刻化している周辺の渋滞緩和、地域振興を目指す方針です。


Kumamototsmc230612
中九州横断道路 大津熊本道路(大津西~熊本)

 特に整備が急がれているのが、「(仮称)熊本北JCT~(仮称)大津西IC」間です。計画延長13.8km(4.7km+9.1km)、設計速度80km/h、車線数4車線となっています。

 引用資料 国土交通省・公式HP
 中九州横断道路 大津熊本道路(大津西~熊本)


Kumamototsmc230613
「断面図」です。4車線で整備されます。

Kumamototsmc230614
中九州横断道路に新IC検討へ!

 熊本県の蒲島郁夫知事は2023年6月12日に、熊本県議会一般質問で、菊陽町への「TSMC(台湾積体電路製造)」の進出に伴う交通渋滞対策として、付近で国が整備を進めている「中九州横断道路」に新たなインターチェンジ(IC)の設置を目指す方針を示しました。

 引用資料 熊本日日新聞(2023/06/12)
 熊本県、中九州横断道路に新IC検討へ TSMC進出に伴う交通渋滞対策 新工場付近と結ぶ道路整備も

 TSMCの新工場付近には半導体企業が集まる「セミコンテクノパーク」もあり、朝夕の通勤時間帯を中心に渋滞が慢性化しています。TSMC以外にも、ソニーグループが合志市で工場建設に向けた用地取得を計画しています。関連企業のさらなる進出も予想されており、地元住民らから、さらなる道路整備を求める声が上がっています。

 中九州横断道路の「(仮称)大津西IC~(仮称)合志IC」間の中間付近に新たなIC設置を検討しています。新工場周辺まで結ぶ約1kmの道路も新たに整備したい考えです

● 激変する熊本県と千歳市(北海道)
 「熊本県」と「千歳市(北海道)」は非常に有望な金鉱を掘り当てました。「熊本県」は、「TSMC」の1番目の工場が建設中ですが、2番目の工場もほぼ確実になりました。「千歳市(北海道)」は、国内主要企業が出資し次世代半導体の国産化を目指す新会社「Rapidus(ラピダス)」が、「千歳美々ワールド(千歳市工業団地)」に最初の工場を建設する事が決まりました。

 1つの工場でこんなに街が変わるのを初めて見ました。半導体工場の影響力の凄さを改めて実感しました。「熊本県」と「千歳市(北海道)」がどのように変わっていくのか? 見守っていきたいと思います。地下水問題や交通渋滞などの負の面もありますが、なんとか解決して日本の発展を牽引してほしいと思います。



|

2023年5月29日 (月)

ソニーグループ 画像センサーの新工場 熊本県合志市に約27万㎡の土地を取得 投資額は数千億円規模に!

Kumamotosony230511
-ソニーグループの画像センサー用の新工場-
 「ソニーグループ」は2023年5月25日に、熊本県合志市で約27万㎡の土地を取得することを正式に明らかにしました。画像センサー用の新工場を建設します。投資金額は未定としていますが、数千億円規模になる可能性があります。中長期での画像センサー需要の拡大を見据え、生産能力を増強して成長につなげます(Googleマップの衛星写真を引用)。

 ニュースイッチ(日刊工業新聞社) 2023/05/27
 ソニーGが画像センサー新工場、熊本に27万㎡の土地取得へ

 立地は、傘下の半導体事業会社である「ソニーセミコンダクタソリューションズ」の熊本県菊陽町にある既存の熊本工場や半導体受託製造大手の「TSMC(台湾積体電路製造)」が建設中の新工場に近いです。

● 土地と地下水が足りない!
 「TSMC」が日本で検討している2番目の工場を熊本県菊陽町付近に建設する方向で調整に入ったと報道されています。相次ぐ熊本県進出で、深刻な土地不足で「土地争奪戦」の様相となっています。農地転用と言ってもこのあたりは「優良農地」のため転用が難しいです。他府県から見たらうらやましい悲鳴です。

 相次ぐ熊本県進出の理由に「豊富な地下水」があります。半導体の生産に大量の地下水を使います。「TSMC」の新工場の1日に採取する地下水の量は約1万2千立方メートルと言われています。相次ぐ半導体工場の進出により、「地下水」の確保も今後はネックになると思います。


Tokyosony210214
2023年3月期の連結業績
 「ソニーグループ」は、2023年4月28日に「2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)」の連結決算を発表しました。売上高11,539,837百万円(前期比16.3%増)、営業利益1,208,206百万円(前期比0.5%増)といずれも過去最高を記録しました。

 ソニーグループ(PDF:2023/04/28)
 2023年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)

● 2024年3月期の連結業績予想
 2024年3月期の連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)は、売上高11,500,000百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益1,170,000百万円(前年同期比3.2%減)の業績予想をしています。

ソニーグループの連結決算(売上高/営業利益)
-----------------------------------------
1998年3月     6,755,490百万円    520,210百万円
1999年3月     6,794,619百万円    338,649百万円
2000年3月     6,686,661百万円    223,204百万円
-----------------------------------------
2001年3月     7,314,824百万円    225,346百万円
2002年3月     7,578,300百万円    134,600百万円
2003年3月     7,473,600百万円    185,400百万円
2004年3月     7,496,400百万円      89,900百万円
2005年3月     7,159,600百万円     113,900百万円
2006年3月     7,510,600百万円     226,400百万円
2007年3月     8,295,700百万円      71,800百万円
2008年3月     8,871,400百万円     457,300百万円
2009年3月     7,730,000百万円  △227,800百万円
2010年3月     7,213,998百万円      31,772百万円
-----------------------------------------
2011年3月     7,181,273百万円     199,821百万円
2012年3月     6,492,312百万円    △67,275百万円
2013年3月     6,800,851百万円     230,100百万円
2014年3月     7,767,266百万円       26,495百万円
2015年3月     8,215,800百万円       68,548百万円
2016年3月     8,105,712百万円     294,197百万円
2017年3月     7,603,250百万円     288,702百万円
2018年3月     8,543,982百万円     734,860百万円
2019年3月     8,665,687百万円     894,235百万円
2020年3月     8,259,885百万円     845,459百万円
-----------------------------------------
2021年3月     8,999,360百万円     971,865百万円
2022年3月     9,921,513百万円   1,202,339百万円
2023年3月   11,539,837百万円   1,208,206百万円

2024年3月期予想
2024年3月   11,500,000百万円   1,170,000百万円(会)
2024年3月   11,931,560百万円   1,261,517百万円(コ)

(備考) (会)は会社予想、(コ)はアナリスト予想(コンセンサス)です。コンセンサスは頻繁に変更されます。上記のコンセンサスは2023年5月29日時点の数値です。


Tokyosony230411
イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)
 「ソニーグループ」は、6分野(ゲーム、音楽、映画、エレクトロニクス、半導体、金融)に分かれています。その中で半導体分野は「イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)」となります。

● 2022年度のイメージセンサーの市場シェアは51%!
 「ソニーグループ」と「サムスン電子」は、イメージセンサーの市場で激しいシェア争いを繰り広げています。2021年度における市場シェアは、金額ベースでソニーグループが45%、サムスン電子が26%でした。

 2022年度のソニーグループの市場シェアは51%に達しています。ソニーグループは、モバイルセンサーの大判化や高画質、高性能のトレンドを牽引しています。スマホ需要減で逆風下のイメージセンサー市場ですが、大判化でソニーグループが独り勝ち状態となりました。更に、2025年度には市場シェア60%まで拡大する計画を掲げています。

 2024年3月期の連結決算では、「イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)」の売上高1,600,000百万円、営業利益200,000百万円を計画しています。計画通りの売上高1兆6000億円を達成すると日本一の半導体メーカーとなります(ルネサスエレクトロニクスは、2023年12月期の売上高1兆5000億円弱を計画)。 

ルネサスエレクトロニクスの連結決算(売上高/営業利益)
-----------------------------------------
2021年12月      994,418百万円    183,601百万円
2022年12月    1,500,853百万円   424,170百万円

ソニー(I&SS)の連結決算(売上高/営業利益)
-----------------------------------------
2022年03月    1,076,400百万円   155,600百万円
2023年03月    1,402,200百万円   212,200百万円

キオクシアホールディングスの連結決算(売上高/営業利益)
-----------------------------------------
2022年03月   1,526,500百万円   216,200百万円
2023年03月   1,282,100百万円  △99,000百万円



|

2023年3月17日 (金)

シリコンアイランド九州 熊本県菊池市 「三菱電機」が炭化ケイ素(SiC)パワー半導体の生産体制強化に向け新工場棟を建設!

Kumamotomitsubishi230311
-三菱電機-
 九州は、1980年代~1990年代前半頃は、アメリカのシリコンバレーにならって「シリコンアイランド九州」と呼ばれていました。しかし、日本の半導体業界の衰退と共に「シリコンアイランド九州」の名称はほとんど使われなくなりました。しかし、「シリコンアイランド九州」の復活が現実味を帯びてきました。

 「三菱電機」は、炭化ケイ素(SiC)パワー半導体の8インチウエハー生産に対応する新工場棟を熊本県菊池市に建設し、2026年4月に稼働します。熊本県合志市のSiC6インチ対応の既存工場も増強します。

 SiCのウエハー枚数ベースの生産能力は2026年度に2022年度比約5倍に増やします。2021年~2025年度のパワー半導体の設備投資計画は従来比2倍の約2,600億円に引き上げ、脱炭素社会に向けた省エネルギーや電動車向けのニーズを取り込みます。

 引用資料 三菱電機(2023/03/14)
 三菱電機 SiCパワー半導体の生産体制強化に向け新工場棟を建設 従来計画から倍増し、2021年度から2025年度でパワーデバイス事業へ2,600億円を投資
 
 新工場棟は液晶モジュールを生産していた拠点の敷地内に建設すします。拠点の既存の2棟も活用します。合志市の6インチ対応の既存工場の能力増強と合わせた投資額は約1,000億円を見込みます。その他に、福岡市西区の拠点は約100億円を投資して後工程の新工場棟を建て、海外も中国安徽省合肥市などの後工程の増強に約200億円を投資します。


Kumamotomitsubishi230312
熊本県菊池市泗水町住吉1576番地1の「三菱電機株式会社 液晶事業統括部の事業所」付近の衛星写真です(Googleマップの衛星写真を引用)。


Kumamototsmc221011
TSMCとソニーの半導体合弁事業
 「TSMC、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー」は、TSMCの半導体受託製造子会社で、TSMCが株式の過半を所有する「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing」に対して、デンソーが約3.5億米ドルの少数持分出資を行うことを発表しました。この出資により、デンソーはJASMの10%超の株式を取得します。

 ソニーグループ(2022/02/15)
 デンソーによる、JASMへの少数持分出資について

 新工場は2022年4月21日に着工、2024年末までに生産開始を目指しています。TSMCは市場ニーズに応えるため、既に公表済みの22/28ナノメートルに加えて、12/16ナノメートル FinFETプロセス技術による製造も担えるようJASMの能力を強化し、月間生産能力を55,000枚(300mmウェーハ)に増強する予定です。

● TSMCの第2工場も熊本県に、総投資額は1兆円以上の見通し!
 「TSMC」が日本で検討している2番目の工場を熊本県菊陽町付近に建設する方向で調整に入ったと、2月24日付の「日刊工業新聞」が報じました。総投資額は1兆円以上の見通しだとしています。

 ブルームバーグ(2023/02/24)
 TSMC第2工場も熊本、総投資額は1兆円以上の見通し-報道

 2024年末に稼働する最初の工場と同等規模以上で、5-10ナノメートルの先端プロセスを採用する可能性があると伝えています。稼働開始は2020年代後半になる見込みです。二つの工場で人材や設備を共有できる点を重視しており、2023年内に詳細を決める方針だとしています。



|

2023年2月25日 (土)

半導体生産で世界最大手の「TSMC(台湾積体電路製造)」 第2工場も熊本県・菊陽町付近に 総投資額は1兆円以上の見通し!

Kumamototsmc221011
-TSMCとソニーの半導体合弁事業-
 「TSMC、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー」は、TSMCの半導体受託製造子会社で、TSMCが株式の過半を所有する「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing」に対して、デンソーが約3.5億米ドルの少数持分出資を行うことを発表しました。この出資により、デンソーはJASMの10%超の株式を取得します。

 ソニーグループ(2022/02/15)
 デンソーによる、JASMへの少数持分出資について

 新工場は2022年4月21日に着工、2024年末までに生産開始を目指しています。TSMCは市場ニーズに応えるため、既に公表済みの22/28ナノメートルに加えて、12/16ナノメートル FinFETプロセス技術による製造も担えるようJASMの能力を強化し、月間生産能力を55,000枚(300mmウェーハ)に増強する予定です。

● TSMCの第2工場も熊本県に、総投資額は1兆円以上の見通し!
 「TSMC」が日本で検討している2番目の工場を熊本県菊陽町付近に建設する方向で調整に入ったと、2月24日付の「日刊工業新聞」が報じました。総投資額は1兆円以上の見通しだとしています。

 ブルームバーグ(2023/02/24)
 TSMC第2工場も熊本、総投資額は1兆円以上の見通し-報道

 2024年末に稼働する最初の工場と同等規模以上で、5-10ナノメートルの先端プロセスを採用する可能性があると伝えています。稼働開始は2020年代後半になる見込みです。二つの工場で人材や設備を共有できる点を重視しており、2023年内に詳細を決める方針だとしています。

 ちなみに総投資額1兆円以上のほとんどは、「半導体製造装置」の導入に費やします。半導体工場の投資が莫大なのは、「半導体製造装置」が非常に高価なためです。オランダ「ASMLホールディング」の最先端の「EUV露光装置」は、1台が240億円以上だと言われています。


Kumamototsmc230211
熊本県菊池郡菊陽町付近の衛星写真です。周辺には田畑や森林があるので用地取得は問題無いと思います(Googleマップの衛星写真を引用)。


Kumamototsmc221112
近くには「ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング」の「熊本テクノロジーセンター」があります(写真提供@祥明氏)。


Kumamototsmc221113
近くには「東京エレクトロン九州 合志事業所」があります。「開発棟」を建設することを発表しています(写真提供@祥明氏)。


Tsmc210212
世界最強の半導体メーカーTSMC

 半導体生産で世界最大手の台湾の「TSMC(台湾積体電路製造:Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.)」は、1987年にアメリカの「テキサス・インスツルメンツ」の上級副社長だった「モリス・チャン」が台湾で創業しました。半導体製造に特化した「ファウンドリ」で、ファウンドリ市場シェアは世界の半分以上を確保しています。
 
 半導体微細化技術で独走しており、5ナノメートル(nm)プロセスチップの生産を本格化しています。世界最先端の3ナノメートル(nm)プロセスチップの生産も2022年末から開始しています。

 スーパーコンピュータ「富岳」のCPUである富士通の「A64FX」、アップルが自社開発した高性能CPU、世界を席巻している「NVIDIA」のGPUや「AMD」のCPUの製造は、「TSMC」が行っています。今や「TSMC」は世界で最も必要とされている会社と言っても過言ではありません。

● TSMCの2022年12月期の連結決算
 2022年12月期連結決算では、売上高2,263.891百万台湾ドル(前年比42.6%増)、営業利益1,121,279百万台湾ドル(前年比72.5%増)でした。営業利益率は驚異的な49.5%です。

 2023年2月25日朝時点での為替レートで、1台湾ドル=4.45円で計算すると、売上高約10兆700億円、営業利益約4兆9000億円となります。日本の企業と比較すると売上高がSONYとほぼ同じで、営業利益がSONYの約5倍です。

TSMCの連結決算(売上高/営業利益)
-----------------------------------------
2019年12月   1,069,985百万台湾ドル     372,701百万台湾ドル
2020年12月   1,339,255百万台湾ドル     566,784百万台湾ドル
2021年12月   1,587,415百万台湾ドル     649,981百万台湾ドル
2022年12月   2,263.891百万台湾ドル  1,121,279百万台湾ドル

(備考) 単位は台湾ドルです。2023年2月25日朝時点での為替レートで、1台湾ドル=4.45円となっています。



|

2022年12月 4日 (日)

熊本国際空港 空港アクセス鉄道のルート検討 「TSMC」の進出により状況が一変 「肥後大津ルート」に決定!

Kumamotoairport240111
-熊本空港アクセス鉄道-

 「熊本国際空港」は、熊本県益城町にある「阿蘇くまもと空港」で、新旅客ターミナルビルの建設を計画しています。「熊本空港特定運営事業等」の関連プロジェクトです。

 空港のコンセッションを巡っては、国土交通省が「三井不動産」を代表とするコンソーシアムを事業者に選定しています。コンソーシアムが設立した熊本国際空港による空港運営が2020年4月1日に始まっています。

 「熊本国際空港株式会社」は、「阿蘇くまもと空港」において、2021年1月15日に、新旅客ターミナルビルの起工式を執り行いました。設計は「日建設計・梓設計JV」、施工は「大成建設」で、2023年3月23日供用開始を予定しています。

 「熊本空港アクセス鉄道」は、JR豊肥線三里木駅~熊本空港を結ぶ鉄道新線計画です。2023年3月23日供用開始予定の熊本空港新ターミナルビルの建設を前に、熊本県が実現に向け調査を進めてきました。熊本県知事は、2018年12月の県議会本会議で鉄道建設を進めることを表明し、2019年2月にJR九州と基本合意しました。

 「空港アクセス検討委員会」は2022年11月9日に、JR豊肥本線の熊本空港(益城町)への分岐・延伸について、熊本県が検討しているルート3案のうち肥後大津駅から分岐する「肥後大津ルート」が妥当とする結論をまとめました。熊本県では今後、JR九州と費用負担などを協議し、できるだけ早くルートを決めたいとしています。

 引用資料 熊本県・公式HP(2022/11/09)
 第5回空港アクセス検討委員会の開催について

● 肥後大津ルートに決定!
 「熊本県」の12月定例議会が2022年12月2日開会し、蒲島知事は、JR豊肥本線と熊本空港を結ぶ「空港アクセス鉄道」の整備ルートについて「肥後大津ルート」に決定したことを明らかにしました。

 NHK NEWS(2022/12/02)
 空港アクセス鉄道は肥後大津ルートに決定 蒲島知事が明らかに

 台湾の半導体大手、TSMCの進出に伴って再検討されることになった空港アクセス鉄道をめぐっては、有識者で作る検討委員会が大津町の「肥後大津駅」から分岐する「肥後大津ルート」が最も事業費が低く、豊肥本線との接続が唯一、直通で妥当だとする意見をとりまとめています。またJR九州も「肥後大津ルート」について熊本県の判断を尊重しながら具体的な検討を進める考えを示していました。


Kumamotoairport221111
「空港アクセス鉄道 3ルート概要図(ルート帯)」です。

● 三里木ルートから大きく変化!
 当初は「三里木ルート」で計画されていましたが、台湾の世界最大手半導体企業「TSMC」が、菊陽町(セミコンテクノパーク隣接)に進出することが決定したことにより状況が一変しました。「原水ルート」と「肥後大津ルート」についても調査を実施し、より効率的で効果の高いルートについて、比較検討を実施する事になりました。


Kumamotoairport221112
「阿蘇くまもと空港周辺における人口変動と企業立地状況」です。


Kumamotoairport221113
「ルートの追加検討に係る中間的な調査概要」です。



|

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

01 大阪梅田ツインタワーズ・サウス 02 大阪ステーションシティ① 02 大阪ステーションシティ② 03 グランフロント大阪(うめきた) 04 中之島フェスティバルタワー 08 JPタワー大阪 31 大阪市・北部② 32 大阪市・中部② 33 大阪市・南部① 33 大阪市・南部② 34 大阪市・湾岸部 41 大阪府・堺市 42 大阪府・高槻市 43 大阪府・豊中市 44 大阪府・守口市 49 大阪府・その他 51 兵庫県・神戸市① 51 兵庫県・神戸市② 55 兵庫県・姫路市 56 兵庫県・尼崎市 57 兵庫県・西宮市 58 兵庫県・宝塚市 59 兵庫県・その他 61 京都府 66 滋賀県 68 奈良県 69 和歌山県 71 愛知県 72 岐阜県 73 三重県 74 静岡県(浜松市) 75 富山県・石川県・福井県 77 岡山県・鳥取県 78 広島県・島根県 79 山口県 81 福岡県 82 熊本県 83 長崎県・佐賀県 84 鹿児島県 85 大分県・宮崎県 88 沖縄県 89 四国 91 鉄道編・JR 92 鉄道編・私鉄 93 鉄道編・阪神電鉄(山陽電鉄含む) 96 大学編 97 アーティストのライブ日記 グルメ・クッキング ニュース 旅行・地域 竣工済-The Kitahama(北浜タワー) 竣工済-あべのハルカス(阿部野橋ターミナルビル タワー館) 竣工済-シティタワー神戸三宮 竣工済-メガシティタワーズ 竣工済-大阪フクシマタワー 竣工済-御影タワーレジデンス 竣工済-新・大阪富国生命ビル 竣工済-梅田阪急ビル① 竣工済-梅田阪急ビル② 竣工済-水都・OSAKAαプロジェクト 竣工済-阿倍野地区再開発事業 竣工済-IPSアルファテクノロジ姫路工場 経済・政治・国際